国税専門官試験【会計学は捨てる?】
国税専門官試験は、国税庁・税務署へ配属される人材を採用する試験であり、業務の専門性の高さから、他の国家一般職試験とは採用形態が異なっています。
この記事では、国税専門官試験の勉強法を述べる事にします。まずは国税専門官試験対策の基礎となる配点・科目・注意点などから確認し、次に各科目の勉強法を検討することにします。
国税専門官試験の概要
配点 | 時間 | 出題数 | 選択数 | 科目 | |
---|---|---|---|---|---|
教養択一 | 9分の2 | 140分 | 40 | 40 | 数的処理16(数的推理5判断推理4空間把握4資料解釈3) 文章理解11(英語6現代文5)社会科学4 時事3 人文科学4(日本史1世界史1地理1思想1) 自然科学4(物理1化学1地学1生物1) |
専門択一 | 9分の3 | 180分 | 必須16選択48 | 40 |
必須16問 民法6商法2会計学8 選択24問 憲法・行政法6 経済学6 財政学6 政治学・社会学・社会事情6 英語6 商業英語6 情報数学6 情報工学6 |
専門記述 | 9分の3 | 60分 | 5 | 1 | 憲法 民法 経済学 会計学 社会学 |
人事院面接 | 9分の2 | 15分程度 | |||
一応、以下で文字にも起こします。
国税専門官試験の配点
国税専門官試験は、
- 教養択一試験 配点:2/9
- 専門択一試験 配点:3/9
- 専門記述試験 配点:3/9
- 人事院面接 配点:2/9
の4つの試験が上記の配点の元行われ、これらを総合的に判断して採用が決められます。次に具体的な試験の科目について見ていきましょう。
国税専門官試験の科目
試験内容と配点は上記の通りですが、試験はさらに細かく分けることができるので、教養択一→専門択一→専門記述の順に述べて行くことにします。
教養択一の科目
国税専門官試験の一般教養の出題数は以下の通りです。
- 文章理解11問:英語6 現代文5
- 数的処理16問:数的推理5 判断推理4 空間把握4 資料解釈3
- 人文科学4問:日本史1 世界史1 地理1 思想1
- 自然科学3問:物理1 化学1 生物or地学1(基本生物稀に地学)
- 社会科学3問
- 時事3問
特に変わった点はありませんが、やはり教養の1/4を占める数的処理が重要であると言えるでしょう。
専門択一の科目
国税専門官試験の専門科目出題数は、以下の通りです。
- 16問(2科目必須) :①民法・商法(民法4 商法2) ②会計学
- 24問(4科目選択) :①憲法・行政法 ②経済学 ③財政学 ④政治学・社会学・社会事情 ⑤英語 ⑥商業英語 ⑦情報数学 ⑧情報工学
会計学と商法が必須であるという珍しい試験。
選択科目は、基本的に①〜④を選択することになると思います。
専門記述試験の科目
国税専門官試験の専門記述科目は以下5科目です。
- 憲法
- 民法
- 経済学
- 財政学
- 会計学
1科目の選択であるので、基本的には、憲法か経済学を選択することになると思います。
科目について具体的に把握したところで、次は各科目の対策法について見て行くことにしましょう。
国税専門官試験の勉強法
試験の概要とコツ
国税専門官試験に突破する方法は、とりあえず筆記試験を突破する程度の勉強をし、面接対策(特に人事院面接) に本腰を入れる事であります。
“面接対策に本腰を入れる”というのに違和感を感じる人が多いと思いますので、まずはその理由を述べましょう。
国税専門官試験は、国家公務員試験であるため人事院面接と採用面接が設けられています。よって、人事院面接を突破して試験に合格しても、職場に訪問して志望先の国税局から内定をもらう必要があります(詳しくは下記の国税庁の採用案内をよく読みましょう) 。
そして、ここからが重要なのですが、国税専門官試験では採用面接の前に電話がかかってくる場合があります。この電話では、「あなたには、ぜひ採用面接に来てほしい」といった事が告げられます。つまり事実上の内々定であり、例年の報告を見ていると、電話をもらった人は採用面接当日に内定をもらえる場合が多く、電話をもらっていない人は採用面接で採用漏れになる場合が多いです。
この電話が、人事院面接での面接評価をもとにかけられているという噂が多く、実際に例年の成績開示結果もそのように物語っています。よって、人事院面接で高評価を得ることがすなわち内々定につながるのです。
教養択一の勉強法と参考書
教養択一に関しては、他の国家公務員試験と大差なく特別の対策を講じる必要はありません。普通通りの勉強をしたら、あとは過去問をメインに対策しましょう。
一般教養の勉強法
国家専門職 過去問500
専門択一の勉強法と参考書
商法と会計学
専門択一は、商法と会計学があるのが特徴。商法に関しては捨てても全く問題ありませんが、会計学は8問出題されるのでできればやっておきたいところ。
こちらでも述べた通り、会計学を捨ててもでボーダーを超す程度なら同日程の財務に合格するよりは楽であります。
ただし、結局国税専門官として採用された場合、4月からの研修で簿記二級の取得を求められるので、滑り止めでないならば、なるべく会計学もやっておいたほうが無難です。勉強法としては、スー過去のみで十分ですが、余裕があるならば簿記2級の勉強をやっておくとよいでしょう。著者は簿記2級を持っているので、後日勉強法を記事にまとめるつもりですが、以下の参考書と電卓があれば十分であります。
その他専門勉強法
該当記事へどうぞ。通常通りの勉強法でOKです。コツは、経済学系科目に重点を置いて勉強する事。
専門記述勉強法
専門記述も通常通りの勉強法でOK。採点も大学の授業よりは緩いです。
人事院面接の勉強法
先ほども述べた通り内々定に直結するので力を入れて対策しましょう。人事院の面接ではありますが、そのうち1人は国税局の人であるため、国税に関することも問われます。通常の面接対策に加えて、パンフレットや採用案内を熟読しておきましょう。
通常の面接対策