経済学を捨てても受けられる公務員試験
専門科目がある試験においては、基本的に経済学の試験が課されます。ただ一部の試験では、経済学の選択を回避できたり、教養のみでも受けられる場合があります。
そこで今日は、経済学を捨てた場合に受けられる試験、また経済学を捨てた場合最大何個の試験を受けられるのか、といったことをみていくことにします
公務員試験と経済学
公務員試験の経済学は、ミクロ経済学とマクロ経済学に分類する事ができます。ミクロもマクロも法律科目などと同じように、大学で学ぶ専門科目でありますが、2年次以降に開講される事が多く、深い知見を得るためには1年次に学ぶ経済原論や経済数学の基礎知識が必要不可欠です。そのため、いきなりミクロ経済学・マクロ経済学両科目の勉強を始めても、理解するにはかなりの時間を必要とします。こうしたこともあり、経済学の勉強法をまとめた記事において私は、経済学の基礎(原論) からの勉強を推奨しました。
ただ、勉強の開始時期などの問題もあり、経済学に多量の時間を費やせない人もいることでしょう。そうした人は、中途半端にやるよりもいっそ経済両科目と財政学を捨てるという選択肢を取るかもしれません。その場合に、
- どのような公務員試験を受ける事ができるのか
- 最大何箇所受ける事ができるのか
といった事が真っ先に頭をよぎると思います。
そこで、以下ではこれらを順に見ていくことにします。
経済学を捨てた場合に受けられる試験
ここでいう受けられる試験とは、「科目の過不足なく受けられる試験」と定義します。
- 国家一般職試験
- 都庁・特別区(同日程であるため1つとする)
- 一部地方上級試験
- 市役所A日程
- 市役所B日程
- 市役所C日程
- 国立大学法人採用試験
- 裁判所職員
計8箇所の試験を受けることが出来ます。
また受けられなくなる試験は、
- 国家総合職試験
- 国家専門職試験(国税・財務)
- 一部地方上級試験
の3つであります。では、受けられる試験にはどのような影響があるのでしょうか。次はこの点を見ていきましょう。
経済学を捨てることによる試験への影響
国家一般職への影響
国家一般職試験は下記16科目が課されます。
- 1英語基礎 2英語一般 3民法① 4民法②
- 5憲法 6行政法 7政治学 8行政学
- 9経営学 10社会学 11 国際関係 12ミクロ
- 13マクロ 14財政学 15教育学 16心理学
教育学や心理学が一般的には選択されない事、英語一般の難易度がかなり高いことを考えると、実質的には13科目からの選択となります。
そして、ここからミクロ・マクロ・財政学が削られると残りは10科目になります。国際関係・経営学・政治学・社会学の難易度がかなり高いことを考えると、経済を捨てた場合高得点を取るのは難しくなると思われます。
こちらの記事でも述べた通り、国家一般職は専門科目の配点が半分近くを占めるほど高いので、経済を捨てるのは結構影響があると思います。
都庁・特別区への影響
都庁の専門記述は三科目選択であり、ミクロとマクロがあわせて経済学として出題される程度であるので、あまり影響はないと思われます。
こちらでも述べた通り、経営学・行政学・政治学・社会学・憲法あたりから選択するのが無難であると思います。
特別区に関しては、
憲法・民法1・民法2・行政法・ミクロ・マクロ・経営学・財政学・社会学・政治学・行政学
の11科目55題が専門択一で出題されます。ミクロ・マクロ・財政学で3科目(15題)あるので、残り8科目から全て選択しないといけないとなると、こちらも経済を捨てた上で高得点を取るのは難しいと思います。
ただこちらでも述べた通り、論文が最も配点が高く大切であるので、論文を中心に勉強をすれば合格点は取れると思います。
その他の試験については、経済を捨てたところであまり影響がありません。ただ、県庁や政令市などの地方上級試験は経済学が必要なところも多いので注意する必要があります。
経済学を捨てることについてまとめ
経済学を捨てても、多くの試験を受けることが出来ますが、基本的に国家公務員系の試験に合格するのは難しくなります(裁判所職員除く)。ただし地方公務員試験については、経済学を捨てることによる影響はあまりないので、地方をメインで志望しているなら捨てるのもありだと思います。