公務員試験の参考書と勉強法-独学式-

公務員試験に独学で合格するための参考書と勉強法をまとめたブログ

【教養をメインに】都庁 対策

 

 

小池知事やオリンピック、はたまた豊洲への移転問題などで度々話題に上がる都庁。

今回は、そんな現在ホットである都庁の勉強法をまとめてみることにします

記述の順序として、まずは試験対策の基礎となる配点・科目等から確認し、次に各科目の勉強法を整理することにします。

 

※この記事は、特に大卒程度であるⅠ類、その中でも一般行政職を対象とすることにします。

 

都庁採用試験(Ⅰ類B) の概要

 

配点

  • 筆記試験:計200程度
  1. 教養択一:40〜60
  2. 専門記述:60〜80
  3. 教養論文:60〜80

 

  • 面接試験:300程度

 

都庁は、配点が公開されていません。

ただし、毎年度の受験者による報告・2chへの報告・予備校の調査等によると、大方上記の通り筆記200・面接300の計500でほぼ間違いないと言われています

面接は1回のみ(採用面接は形式上のもの) なので、300でほぼ間違いありませんが、筆記に関しては諸説あります。1番よく言われているのが、教養50専門記述75論文75というもので、次に言われているものが教養60専門記述70論文70というものです。

以上から細かくはわかりませんが、面接>論文=専門記述>教養という程度に考えておけばよいでしょう

 

配点と重要度の乖離

 

配点は、ほぼ上記の通りで間違いありませんが、実際にまわすべき勉強量の度合いとは差がありますので、その点を説明致します。

都庁の採点は、教養→①→論文・専門記述→②→面接→③→内定と段階を踏んで行われます。

そしてここが重要な点なのですが、①(教養→論文・専門記述) の過程で6割程度が切られ、残った4割の内1割が②(論文・専門記述→面接) の過程で切られ、残り3割から1割弱が③(面接→内定) の過程で切られます

つまり何が言いたいかというと、配点は確かに面接>記述+論文>教養択一でありますが、実際には殆どの人が教養択一の足きりで落ちているため、教養択一が最も重要な試験なのです。

 

具体的には、ここ4年間ともにこのようになっております。

H27 択一落ち 1875人 専記+論文落ち 341人
H26 択一落ち 2351人 専記+論文落ち 450人
H25 択一落ち 2197人 専記+論文落ち 629人
H24 択一落ち 2500程度 専記論文落ち 300程度

都庁採用試験wikiより

 

ここ4年で1番論文+専記で落ちる人数の多かったH25年度ですら、択一で落ちた人の3分の1も満たしておりません。

面接の倍率も2倍程度と低くまず採用漏れはないので、択一をメインに勉強しましょう

 

科目

 

上記までに述べた通り、

  1. 教養択一
  2. 教養論文
  3. 専門記述
  4. 面接

の4つがあるのですが、教養択一と専門記述に関しては注意するべき点が多いので、これら2つの科目について細かく見ていくことにしましょう。

 配点時間出題数選択数科目
教養択一 50程度 130分 40 40

文章理解8(現代文4 英語4) 数的処理16(数的推理4 判断推理4 資料解釈4 空間把握4)

自然科学4(物理1 化学1 地学1 生物1) 人文科学4(歴史1地理1思想1)

社会科学3 時事6

教養論文 75程度 90分 1 1 課題式
専門記述 75程度 120分 10 3 憲法 民法 行政法 経済学 財政学 政治学 行政学 社会学 経営学 会計学
面接 300程度        

 

教養択一の科目

 

最も大切な試験である教養択一の詳細から。

公式の発表では知能24知識16の発表であります。

平成27年度採用試験の変更点|東京都

そして例年の傾向から細かく見ると、

  1. 文章理解:現代文4 英語4 計8
  2. 数的処理:数的推理4 判断推理4 資料解釈4 空間把握4 計16
  3. 自然科学:物理1 化学1 地学1 生物1 計4
  4. 人文科学:歴史1 地理1 思想1 計3
  5. 社会科学:計3
  6. 時事:計6

というふうに分解する事ができます。

特徴的であるのは、近年の公務員試験の傾向に合わせて知能分野の出題が多いことと、時事の出題数が多いことです。

科目毎の勉強法については後述しますので、次は専門記述の科目を見ていきましょう。

 

専門記述の科目

 

専門記述の科目は、以下10科目であります。

  1. 憲法
  2. 民法
  3. 行政法
  4. 経済学
  5. 財政学
  6. 政治学
  7. 行政学
  8. 社会学
  9. 経営学
  10. 会計学

特徴的であるのは、民法や経済学といった他の試験では2つに分かれている科目が1つにまとまっていることです。

よって、民法ならば民法1と2を含めて民法、経済学ならばミクロとマクロを含めて経済学として出題されます。

 

科目について確認を終えたので、次は個別具体的な勉強法について見ていきましょう。

 

教養択一の勉強法

 

教養択一は、上記で述べた通り最も大切な試験であるので、手を抜かずしっかりと対策をしましょう。配点の大きい科目から順に解説していきます。 

 

数的処理

 

数的処理は、最も大切な試験である教養の配点を4割(16問) も占めているため、都庁の合否を左右するといっていいも科目です。

難易度は高くなく基礎的な問題が多いので、しっかりと対策をして最低でも10点は取れるようにしましょう。

特異な点もないので、普通通りの勉強法で大丈夫。

こちらを参考に勉強をしましょう。

www.dokugaku-koumuin.com

 

基礎問題に重点を当てている、『玉手箱』が特にオススメです。

文章理解

 

文章理解は、英語4問現代文4問が出題されます。こちらもまた基礎問題が多いので、通常通りの勉強でok。

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

都庁では資料解釈が4問出題されるので、計12問の傾向を掴めるスー過去が特にオススメ。

時事

 

都庁で最も特徴的な科目である時事。なんと6問も出題され、しかもそれなりに難易度が高いのです。

私は、時事の勉強は速攻の時事だけでも良い派ですが、都庁を第一志望としているならば2シリーズ程度やることをオススメします

速攻の時事インプット編とアウトプット編に加えて、都庁・特別区専用に編集されたパーフェクト時事があると完璧でしょう。

資格試験研究会 実務教育出版 2017-02-06
 

時事をさらに完璧にしたいならば、専門科目で財政学を勉強すると良いでしょう。

財政事情に強くなり、来年出題される白書関係の問題に対応する事ができます。

 

自然科学

 

自然科学4題必須解答と、文系には厳しい出題数。

都庁はやはり教養が重要なので、最低でも2科目はやっておきたいところ。

範囲が狭く地理と被っている地学に加えて、もう1科目くらいはやっておきましょう。難易度は高くないので、通常通りの対策でok。

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

都庁の自然科学対策で役に立つのはやはり出るとこチェック。

 

新書サイズと薄い上頻出分野のみに焦点が当てられているので、重宝します。

自分でここだけはやる!というように決めるくらいなら、プロによって分析された頻出分野をやる方が良いでしょう

人文科学

 

都庁の人文科学の特徴的なところは、歴史が合わせて1問であるところ。 よって今まで日本史・世界史を勉強した経験がないならば、1問しか出題されない歴史は捨ててしまう事をオススメします。

歴史に比較してコスパが良いのは地理。元から歴史科目に比較して範囲が狭い上に1問は必ず出題されるので、なるべく捨てないようにしましょう

文学芸術と思想は1問出題されます。歴史に比較すると範囲が狭いので、こちらも捨てないようにしましょう。特に思想は範囲が狭いので、文学芸術を捨てて思想のみに絞るというのも一つの手段。

参考書としては、やはり出るとこチェックが優秀。難易度も高くない問題が多いので、いかに広く浅くできるかがポイント

社会科学

東京リーガルマインド LEC総合研究所 公務員試験部 東京リーガルマインド 2016-10-14
 

都庁の出題科目は、毎年3問出る上難易度も低いのでそれなりに力を注ぎましょう。

よって、どうしようもなく時間がないなら別ですが、基本的にはスー過去かクイマスでじっくりとやる事をオススメします。

資格試験研究会 実務教育出版 2014-08-27
 

憲法・経済学・政治学・社会学は、社会科学と範囲が被っているので、専門記述の科目選択の基準にもなるでしょう。

 

教養科目まとめ

 

配点の高い一般知能、特に数的処理をメインに勉強しましょう。

知識分野はコストパフォーマンスの悪い科目が多いですが、難易度の低い科目も多いので、頻出分野だけでもやるようにしましょう例年足切りラインは40点中25点前後ですが、去年や一昨年は27〜28であったので、やはり3点前後捨ててしまうと中々厳しい状態になります。

なるべく捨て科目を作らず、浅く広くやるのがコツです。

 

専門記述の勉強法

 

専門記述のコツは、多めの科目を勉強する事。例年都庁の専門記述は、地雷科目が数科目あり、到底書かないような論点も出題されますよって選択は3科目ですが、4科目〜5科目はやっておくべきでしょう。

オススメの科目は、政治学・社会学・行政学・経営学といった学系科目と憲法です。学系科目をススめる理由は、これら4科目の範囲がかなり被っている事に加えて、教養の社会科学や時事と範囲が被っているため。憲法をススめる理由は、社会科学と被っている上政治学や行政学と被っているためです。

選択は3科目ですので、政治学+行政学+社会学(+憲法) といった感じで勉強をすれば、+1〜2の要件も満たし、科目の過不足なく受ける事が出来ると思います。

よく専門記述を嫌って都庁を避ける人がいますが、上記でも述べたように都庁の専門記述で落ちる人は教養での足切りで落ちる人の10分の1程度にすぎません。内容も一つのテーマを800文字程度で簡単に説明するだけであるので、大して難しいものでもありません

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

採点基準もかなり緩いものであるので、こちらでも述べた通り文章の体裁を順守し、論理的に説明すれば問題ないでしょう。テキストは、教養論文で用いる文章・論文の書き方の本に加えて、スー過去と過去問があれば十分です。

資格試験研究会 実務教育出版 2014-10-07
 

教養論文の勉強法

 

他の試験と同一のテキストで勉強すれば十分ですが、東京都において〜といった問題が多いため、都の政策について細かく把握しておくと確実です。

具体的には、政策企画局のホームページや、その長期計画である東京都長期ビジョンを読み込んでおきましょう。面接対策や時事対策にもなります。

東京都政策企画局トップページ

「東京都長期ビジョン」トップページ

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

政策や行政課題について悩んだ場合は、こちらを参考にしましょう。

面接対策

 

都庁の面接倍率は2倍程度しかないので、通常通りの対策でOKです。

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

参考書などで想定質問をインプットしたら、ハローワークや大学のキャリアサポートを活用し、アウトプットしながらうまく修正していきましょう。

 

東京新卒応援ハローワーク | 東京ハローワーク

www.tokyoshigoto.jp

まとめ

 

はじめに確認した通り、やはり教養科目が合否を分けるので、なるべく捨て科目を作らず、細かい点まで幅広く勉強をしましょう。

実際に2chで例年よく目にするのは、「もう少し教養をやっておけばよかった。」という声専門記述+論文+面接で落ちるのが毎年500人前後であるのに大して、教養の択一で落ちる人数が2500人前後である事も教養の重要度の高さを表しています

地雷科目の出題が多い専門記述を見ても、なかなか捨て科目を作らない教養を見てもそうですが、幅広く物事に取り組める人材が求められているのではないでしょうか?

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