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面接の倍率が低い公務員試験一覧【コミュ障必見】

 

 

公務員を志望している人の中には、筆記のウェイトが高く、面接のウェイトが低いのを理由に公務員試験の勉強を始めたという人もいる事でしょう。

実際に公務員試験では、面接の倍率が3倍を下回っている試験も多く、100倍や200倍が当たり前の民間に比べると雲泥の差があります。

そこで今回の記事では、面接の倍率が低い試験を取り上げることにします。

考察の順序に関して、まずは地方上級試験を、次に市役所試験を整理し、最後に国家公務員試験をまとめることにします。また、全国をまとめると膨大な量になるので、この記事では受験者の多い関東のみを対象とすることにしますが、一般論としての面接倍率についても記事中で触れているので参考にしてみてください。

 

地方上級で面接の倍率が低い試験

 

横浜市

 

実は、面接の倍率が低い横浜市。

  1. 二次試験(教養論文+面談) 
  2. 三次試験(面接) 

と2回にわけて面接があるのですが、ここ2年

  1. 平成27:二次 1028→642(≒1.6) 三次  609→360(≒1.69) 
  2. 平成28:二次 891→455(≒1.95)  三次 1297→927(≒1.39) 

といった倍率で行われています。(下記参考) 

横浜市職員採用案内「始動。」 大学卒程度等採用試験実施結果

つまり、平成28年度は2.71倍・平成27年は2.70倍といった、3人に1人以上は通る面接試験が実施されているわけです。

また横浜市の場合は、二次試験の評価が面接と論文を合わせたものであるため、実質的にはもう少し面接のウェイトが低いと言えるでしょう。

 

川崎市

 

川崎市も、面接の倍率が低い試験です。

  1. 一次面接
  2. 二次面接

と2回に渡って行われ、ここ2年では

  1. 平成28:一次 494→324(≒1.54倍)  二次 324→184(≒1.76) 計2.71倍
  2. 平成27:一次 447→276(≒1.62倍) 二次 276→131(2.02) 計3.27倍

といった倍率で行われています。

しかも、川崎市:過去の試験実施状況と上記の人数を見ればわかる通り、二次面接は辞退者が考慮されていないので、実際には2.5倍程度だろうと思われます。

 

神奈川県庁

 

神奈川県庁も、面接の倍率が低いです。

面接は2次試験に行われる1回のみで、ここ2年において

  1. 平成28年:487→221(≒2.20倍) 
  2. 平成27年:498→232(≒2.15倍) 

といった倍率で行われています(下記より) 。

www.pref.kanagawa.jp

面接は、グループワーク1回と個別面接2回の計3回課されるものではありますが、同時に採点の行われる論文試験を含めて2倍程度の倍率であるので、純粋な面接だけの倍率を見ればかなり低い部類であるでしょう。

 

千葉県庁

 

千葉県庁も、面接の倍率が低いです。

面接試験は2次試験に行われる一回のみで、ここ2年

  1. 平成28年:260→181(1.44倍) 
  2. 平成27年:215→123(1.75倍) 

といった倍率であります。(下記より) 

採用試験実施状況/千葉県

また、二次試験は集団討論と個別面接と性格検査の3つであります。

 

埼玉県庁

 

埼玉県庁も、面接の倍率が低いです。

面接は二次試験の一回のみで、ここ2年

  1. 平成28年度:608→256(≒2.38倍) 
  2. 平成27年度:664→265(≒2.50倍) 

といった倍率で行われています。

平成28年度の試験実施状況 - 埼玉県

また上記数値(608・664) は、二次試験受験者数ではなく一次試験合格者であり、辞退者が考慮されていないため、実質的には2倍程度だろうと思われます。

 

地方上級の面接倍率まとめ

 

上記までをみて明らかなように、一般的には地方上級試験の面接倍率は低い傾向にあります。ここでは触れていませんが、都庁や特別区・愛知県庁や大阪府庁も2倍程度と低く、都道府県庁や政令市特別区などの大きな自治体は、一般的に面接の倍率が低いと言えるでしょう。

逆にいえば筆記試験のウェイトが大きいというわけですが、国家に比べれば筆記試験の倍率も高くないので、基本的には受かりやすい部類の試験です。

市役所で面接の倍率が低い試験

 

市役所は一般的に面接の倍率が高いですが、ここではその中でも面接の倍率が相対的に低い試験を上げていくことにします。

 

八王子市役所

 

八王子市役所は、市役所の中ではかなり面接の倍率が低い方です。

面接は2次・3次と2回に渡って行われ、ここ2年間の結果は以下の通りです。

  1. 平成28年 2次試験:151→116(1.30倍)  3次試験:116→92(1.26倍) 計1.63倍
  2. 平成27年 2次試験:164→122(1.34倍)  122→99(1.23倍) 計1.65倍

職員採用|八王子市公式ホームページ

公開人数が辞退者を考慮されていないことを考えると、実質的な面接倍率は1.4〜1.5倍程度でしょうか?

市役所試験の中では、異例の低さであると言えるでしょう。

 

町田市役所

 

町田市役所も、面接の倍率が低い部類の試験です。

面接は2次と3次の2回に渡って行われ、ここ2年の倍率は以下の通りです。

  1. 平成28年度 2次試験:117→50(≒2.34)  3次試験:50→35(≒1.43) 計3.5倍
  2. 平成27年度 2次試験:192→118(≒1.63) 118→33(≒3.56) 計5.8倍

町田市職員採用情報/町田市ホームページモバイル

町田市の試験もまた、辞退者が考慮されていないので、実質的には3倍程度だろうと思われます。

 

あきる野市役所

 

あきる野市も、面接の倍率が低い試験です。面接は2回に渡って行われ、ここ2年間の倍率は以下の通りです。

  1. 平成28年度:60→25(≒2.4倍)  25→18(≒1.38倍) 計3.31倍
  2. 平成27年度:65→42(≒1.55)  39→27(≒1.44) 計2.23倍

過去の職員採用試験の実施状況について | あきる野市

こちらは辞退者が考慮されていますが、2次試験では面接に加えて論文と事務適性検査が実施されているので、純粋な面接倍率のみを考えるともう少し低いと言えるでしょう。

 

東久留米市役所

 

東久留米市も、面接の倍率が低いです。

面接は2次試験と3次試験の2回に渡って行われ、倍率は以下の通りです。

  1. 平成28年:56→18(≒3.11) 17→10(≒1.7) 計5.28 
  2. 平成27年:42→20(≒2.1) 20→13(≒1.54) 計3.23

www.city.higashikurume.lg.jp

東久留米市は、集団討論と個別面接といった純粋な面接試験のみですが、市役所の中では面接倍率が低い試験であると言えるでしょう。

 

市役所試験の面接倍率まとめ

 

市役所の試験は、一般的に面接の倍率が高く、10倍以上のところが多いですが、今回取り上げた市役所は2〜5倍とかなり面接の倍率が低い試験でした。

市役所試験は、何年人物重視の試験に以降している傾向にあり、中には従来の公務員試験ではなく、SPIなどの足切りを行う程度の簡単な教養試験を課す所も増えています。

市はかなり多いので選択肢は多数ありますが、公務員試験の勉強をしているならば、なるべく筆記重視の市役所を受ける方が良いでしょう。

この本は、所謂A日程やB日程などの細かい分類や市役所試験の全体像や最近の傾向を紹介しているので、市役所を選ぶ際に参考になることでしょう。

 

国家公務員試験で面接の倍率が低い試験

 

国家一般職試験

 

国家一般職試験は、面接の倍率が低いです。面接は二次の1回のみで、ここ2年では以下の通りです。

  1. 平成28年:7980→5419(≒1.42倍) 
  2. 平成27年:7590→5137(≒1.48倍) 

国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)|国家公務員試験採用情報NAVI

2次試験は面接に加えて論文も同時に採点されるので、純粋な面接の倍率だけであればもう少し低いだろうと思われます。また、辞退者も考慮されていないので、実質的な面接の倍率は1.2〜1.3倍程度でしょうか。

ただ、注意も必要です。

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

こちらの記事でも述べた通り、国家公務員試験は試験に受かったところでようやくスタートラインであります。よってその後の官庁訪問の事を考えると、どこの官庁でも良いのであればともかく、それなりに人気の官庁を狙うのであれば、×2.5倍程度(≒3.0) には見ておいた方がいいと思います。

実際に昨年度も2次通過者が5400人程度に対し、採用予定数は2500前後でした。

 

国税専門官試験

 

国税専門官試験も、面接の倍率が低い試験です。

ここ2年間の面接倍率は以下の通りです。

  1. 5638→3032(≒1.86) 
  2. 5923→3291(≒1.80) 

国税専門官採用試験|国家公務員試験採用情報NAVI

ただし、国税専門官試験も官庁訪問に準じた職場訪問があるため、×2倍弱程度(≒3.5倍) には見ておいた方がいいでしょう。

 

財務専門官試験

 

財務専門官試験も、面接の倍率が低い試験です。
ここ2年間の面接倍率は以下の通りです。

  1. 1029→528(≒1.95) 
  2. 989→526(≒1.88) 

財務専門官採用試験|国家公務員試験採用情報NAVI

財務専門官試験も、官庁訪問に準じた職場訪問が行われるので、×2.5倍程度(≒5倍) に見ておいた方がいいでしょう。

 

www.dokugaku-koumuin.com

 

こちらの記事でも述べましたが、特に財務専門官試験は採用漏れが多いので注意が必要です。

 

国家公務員試験の倍率まとめ

 

国家公務員試験の難易度は、上記の通りかなり低いですが、職場訪問を考慮に入れる必要があります。

特に国税などの専門職試験は、見栄えの倍率はかなり低い傾向にありますが、採用漏れもかなり多く、官庁訪問の事も考えると決して面接がザルのようなものであるとは言えないでしょう。

したがって、官庁訪問についてしっかりと研究しておく必要があります。

官庁訪問の仕組みや、対策については、中央省庁で任用課長補佐をやっている「現職人事」によって書かれたこの本が参考になります。

 

公務員試験の面接倍率についてまとめ

 

公務員試験の面接倍率は、民間と比較すると異様なレベルに低いものとなっています。今回の記事を見て貰えばわかる通り、特に県庁などの地方上級試験や国家公務員試験の倍率が低い傾向にあります。

もちろん、近年面接試験のウェイトが大きくなってきており、これからもこの傾向は続いていくでしょうが、面接が苦手ならば、地方上級試験や国家公務員試験が最も最適な試験であると言えるでしょう。

特に、専門科目が出題されない相模原市・横浜市あたりは筆記の倍率も低いため、短期間で攻略のできるオススメ試験です。

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