集団討論 対策
集団討論は、人気官庁や市役所試験の一次面接で行われる事が多く、近年の人物重視試験への移行とともに実施される事が多くなってきた試験の1つです。
そこで今回の記事では、公務員試験で行われる集団討論について、その概要と対策法をまとめてみることにします。
集団討論とは?
集団討論とは、人事担当者によって与えられたテーマ(問) にそって複数人(4〜8人程度) で討論を行い、最後にテーマに対する意見を述べるというものです。
また、集団討論には以下の2種類があります。
- 複数人で討論を行い、最後に代表者1人がテーマに対する意見を述べるもの。
- 複数人で討論を行い、最後に1人ずつテーマに対する意見を述べるもの。
具体的な流れとともに見ていきましょう。
集団討論の流れ
①テーマの発表
テーマとは、集団討論で話し合う議題の事で、人事担当者によって言い渡されます。
例をあげますと、「昨今、選挙権を付与される年齢が下がりましたが、同時に若者の選挙率の低さが社会問題となっています。もし、若者が選挙に興味を持つような取り組みを△△市が行うとしたら、どのようなものがふさわしいと考えられるしょうか、あなたの考えを答えなさい。」といったものであります。
テーマが課されたら、このテーマについての討論が始まります。
②役の配賦
集団討論は、先に述べたように2種類あります。どちらの場合にしても、討論が始まったら、まずは各人の役を決めるのが普通です。役には、以下のようなものがあります。
- 司会 :話の方向性を決めたり、皆を導く大事な役。
- タイムキーパー:討論には制限時間があるため、時間を気にする必要があります。そこで、他の人が時間を気にせず討論に集中できるように、時間管理を1人で司り、他の人に定期的に伝える役が必要となります。それがタイムキーパーです。
- 発表者:討論でまとめた意見を、人事担当者に発表する役。全員が発表する必要がある場合には、必要ありません。
- 書記:完全に任意の役ですが、意見を紙にまとめる必要があると考える人も多いです。
役を設けるにしろ、設けないにしろ、討論が始まったらまずは役を設けるか設けないかを話し合いましょう。統制を保つためにも、司会とタイムキーパーくらいは設けた方が無難であると思います。
③討論の開始
討論が始まったら、まずは②で述べたように役を設けるか設けないか決め、それが終わったら、テーマについての話し合いが始まります。討論は基本的に司会の人が指揮し、以下のような流れで行われます。ここでは、先ほど述べた
「昨今、選挙権を付与される年齢が下がりましたが、同時に若者の選挙率の低さが社会問題となっています。もし、若者が選挙に興味を持つような取り組みを△△市が行うとしたら、どのようなものがふさわしいと考えられるしょうか、あなたの考えを答えなさい。」をテーマと仮定し、具体的な流れを見ていきましょう。
④前提の共有
討論を始めるためには、話し合うテーマについて、全員で前提を共有する必要があります。例えば上記のテーマであれば、「若者が選挙に興味をもつための取り組み」が討論の核にあたるわけですが、 中には考えすぎて、前文である「選挙権が付与される年齢」に拘ったり、「若者=新しく選挙権を付与された20歳未満の人々」と限定してしまう人がいるかもしれません。そういった、前提の認識がズレている状態で話をして初めても上手く続かないので、まずは前提を共有しましょう。今回の例であれば、まずは認識のズレが生じやすい若者という言葉が、どの程度の年齢にあたるのかを決定し、皆で共有する必要があります。
⑤原因の分析
前提の共有が終わったら、次はその前提がなぜ起こってしまったのか、今回の例であれば、なぜ若者の選挙率が低いのかを考える必要があります。なぜならば、仮に「選挙に行くメリットを若者が感受していない」という原因が理由であると結論付けた場合、その解決策を挙げるのが容易となるからです。メリットを感受していないならば、メリットを伝えるような取り組みを伝えればいいと結論づける事が出来るでしょう。原因は、発表時間にもよりますが、全員で2〜5個取り上げましょう。そうした方が、より多くの解決策を提案する事ができます。
⑥解決策の提案
原因を分析したら、解決策(答え) を話し合いましょう。この解決策は、実際に人事担当者に発表するものであるので、慎重に考える必要があります。
今回のテーマと原因のもとで討論すれば、「教育の場で選挙に行くメリットを伝える事で、若者に選挙に興味を持ってもらう。」「成人式など若者が多く集まる場で、若者に人気な著名人を招集し、著名人に選挙のメリットを伝えてもらう。」などが解決策として提案されることになるでしょう。
⑦人事担当者への発表
初めに述べたように、集団討論には全員が意見を発表するものと、代表者1人が発表するものの2種類がありますが、どちらにせよ、人事担当者へ答えを伝える必要があります。
以上までが集団討論の流れと、話し合うべき内容です。
次に、集団討論の対策法を見ていきましょう。
集団討論の対策法・勉強法
集団討論の対策には、大きくわけて
- 本で勉強する方法
- 実践する方法
の2種類がありますので、以下で順に見て行くことにします。
参考書で対策
以上で述べたような具体的な流れや方向性は基礎知識として必要です。いきなり実践しようにも、知識がなければ中々実践しづらいので、本で概要だけでも掴んでおくと無難でしょう。
また、先ほど述べた「若者と選挙」のようなテーマは、よくでる頻出のテーマであります。頻出テーマにおける論点や知識等は、本でさらっと把握しておいた方がいいと思います。具体的には、子どもの貧困・国の財政赤字などが頻出のテーマに挙げられます。
●パスラインシリーズ
こちらの本では、公務員の官庁訪問・集団討論などに焦点が当てられています。集団討論の対策はもちろん、よく出題される頻出のテーマも載っているので、本としては無難な1冊であると思います。
●受験ジャーナル7月号
昨年出版された雑誌ですが、こちらでは集団討論のテーマや対策法が、実際のデモンストレーションとともに載せられています。
他にも、官庁訪問の大学別採用数や説明会への参加人数などもまとめられています。
討論実践による対策
集団討論の実践は、大学のキャリアサポート・ハローワーク・ジョブカフェなどで頻繁に行われています。