基本書紹介【オーバーワーク?】
公務員試験と基本書
公務員試験では、基本書に関して語られる事が殆どありません。確かに基本書は若干オーバーワークかもしれません。しかし、基本書にも様々なものがあります。例えば、私が以下で取り上げているものは学部の2・3年次にテキストとして使うものです。
これが何を意味するかというと、基本書をやるのはオーバーワークであるとしても、決して無駄ではないということです。なぜなら、公務員試験の問題は基本的に大学教授が作っているものであり、その際に参考にするものが、以下のような学部2・3年次に使うテキストであるからです。
実際に、国家一般職や国家総合職などの試験では、「今年は⚪︎⚪︎のテキストから問題が作られたな」などのうわさが広がる事もしばしば。詳しくは↓をご覧ください
過去問の役割
前置きが長くなりましたが、本題である公務員試験に役立つ基本書を紹介していきます。
基本書 経済学
こちらは神取先生のミクロ経済学の本です。Amazonのベストセラーにもなっており、教科書として指定される事も多い本です。
この本の何が良いかといえば
- 数学の知識がなくても理解できるように書かれている
- TPPと関税・医療保険と現金給付など具体例を用いながら説明してある
- ミクロで必要な論点が網羅されていて、全てがはじめからていねいに説明されているので辞書替わりにも使える
など上げていくとキリがありません。実際に東京大学では最も有名なミクロ経済学の教授で、毎度の講義は拍手で締めくくられます。
マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts Selection)
posted with ヨメレバ
齊藤 誠,岩本 康志,太田 聰一,柴田 章久 有斐閣 2016-04-08
こちらの本も学部2・3年次に基本書として使われる事の多い参考書。マンキューも人気ですが、翻訳の違和感なども考えると私はこちらが好み。
斎藤マクロの良い点は以下の通りです。
- 経済モデルの説明を行う前に、経済分析やマクロ経済学の役割といった論点から入り、その説明に70ページ弱を使っているため、マクロ経済学を一から丁寧に学ぶ事ができる。
- モデル分析においても、ISやLM等モデルのメリットだけでなくデメリットも紹介している。モデルを批判的に検討する事で、深い理解を得る事ができる。
基本書 経済演習
難解な計算問題などスー過去では足りない部分を演習で補いたい方には、こちら2冊がオススメ。一応公務員試験用の対策本と書かれており、国家総合職の対策にはちょうどよいです。
基本書 法律
日本で最も有名な憲法学者芦部先生の本。残念ながら既に他界してしまいましたが、国会答弁の時に安部総理が芦部先生の事を知らかったと発言した事がニュースで取り上げられたくらいには有名な学者。学説的な話題をあまり語らず、現在の判例通説を簡潔に書いてあるので、専門書としてはやはり一つ抜けている。
4冊しか紹介していませんが、公務員試験ではこれら4科目に加え、櫻井行政法と法律の記事で紹介した判例集があれば充分だと思います。