公務員試験の参考書と勉強法-独学式-

公務員試験に独学で合格するための参考書と勉強法をまとめたブログ

数的処理(数的推理・判断推理・資料解釈)

 

数的処理の参考書と勉強法


数的処理の概要


数的処理は以下4科目から構成されています。

  1. 数的推理
  2. 判断推理
  3. 資料解釈
  4. 空間把握

また、それぞれの科目の特徴を列挙すると以下のようになります。
数的推理は、一番数学の要素が強く方程式や不等式など数学のツールを使った問題が基本となります。
判断推理は、論理と集合など難しい計算はないものの表に数値を記入して軽い計算を行なったりする問題が基本となります。
資料解釈は、折れ線グラフや円グラフなどのデータをもとに軽い計算を行う問題が基本となります。
空間把握は、立体図形や図形の軌跡など空間把握能力を測る問題が基本となります。

大雑把に言えば、これら4科目は教養が40点満点の試験で
数的推理5 判断推理4 資料解釈3 空間把握3
といった問題数で出題されます。つまり、数的処理だけで教養試験の3割程度を占めており、それだけとても重要度の高い科目ということであります。
よって、数的処理を征す者は公務員試験を征するといっても過言ではありません
特に数的推理と判断推理は、どの試験でも合わせて10問程度出題されるためそれなりに取れるようにしておきたいところ。
では、具体例な勉強法と参考書などを見ていきましょう。


数的推理は数学の既習①or未習②で勉強法を変える


数的推理は上記で述べたように、数的処理の中で最も数学の要素が強い科目となります。よって、数学の得意 or 不得意によって勉強の手順を変えるべきであります。
他サイトや2chなどを見渡すと××をやればいいだとか○○をやればいいだとか言われていますが、方程式や不等式などのツールを使って解かなければならない問題があるため、少なくとも中学の数学程度は理解していなければ話になりませんし、理系の方のように大学で数学をツールとして使ってきた方からすると、数的推理の傾向や特徴に慣れるだけでそれなりに点を取れてしまうようになるので、自分の今までの数学の勉強度合いを振り返った上で勉強の方法を考えるべきです。
よって、当ブログでは数的処理の中でも数的推理だけは以下のように勉強法を分けて検討する事にします。

  1. 大学受験で全く数学の勉強をしなかった方
  2. それ以外の方


数的推理の勉強法(上記①の人)

 

数的推理の勉強手順⓪:中学数学を完璧に


私立文系の人が数的推理の勉強を開始する前にまず確認すべき事は、中学レベルの数学が完璧か否かです。
円周角・垂直二等分線・三角形の内心や外心って聞いて何のことだか分かりますか?
わかった方は、導入本かスー過去を買って解きましょう。
しかし、わからなかった方は、数的推理の導入本に入る前に、中学の数学を復習する必要があります。
なぜなら、導入本では、表紙に『数学がわからなくても大丈夫』なんて書いてあるものも多いですが、垂直二等分線・円周角・三角系の内心外心など中学レベルの数学となると、流石に説明が省かれているからです。
よって、そういった方は一見遠回りに思えるかもしれないですが、きちんと中学数学を完璧にする必要があります。過去問やスー過去を解く時にも中学数学の内容は出てくるので、結局は勉強して理解する必要があるので。
これは私個人の意見になりますが、数的推理を勉強しても伸びない人には、前提条件である中学数学の基礎知識が欠けている気がします。

中学の数学教材の中では、この本が薄くて手っ取り早く中学数学を復習できるのでオススメ。

具体的には、

  1. 1分野が2ページで構成されていて、左ページが公式と解説・右ページが練習問題。
  2. 1分野2ページというコンパクトな内容
  3. 分野ごとに整理されていて、理解済み分野は飛ばせる
  4. 問題をときつつ公式や基礎を確認できる実践的な内容

と復習に最適。
私も塾講師のアルバイトをしている時に用いましたが非常に重宝しました。

 

数的推理の勉強手順①:解法の玉手箱で数的推理の基本を抑える


中学数学復習後、または中学数学レベルなら問題なく理解できる人は玉手箱を使用しましょう。
導入本としてはワニ本も有名ですが、

  1. ワニ本は10年近く改訂されておらず内容が古い 新版のベストプラスの方は解説が淡白
  2. 玉手箱の方がスー過去との内容の整合性が取れている

この2点を考えると玉手箱の方がオススメです。改訂もされ、最新の傾向にも対応しています。玉手箱は解説がとても丁寧。
数的推理は名前の通り数を用いた推理であって解き方が違っても答えがあっていればいいのですが、解説と解き方が違うと

  1. この解き方ではダメなのでは?
  2. なんでこのような解き方をするのだろう

などと少し心配になってしまいます。このような無用な心配を防ぐため、玉手箱では1つの問題に対し2つの解説を用意していることが多いです。(1つの問題に対し3つの解説を用意している箇所もあります)

私としては玉手箱を推奨しますが、数的に関しては解説の合う合わないがやはりありますので、ちょっと合わないなあと思った場合には別のテキストを用いるのも一つの手段です。ここでは、玉手箱意外の評判の良い参考書を軽く紹介しておくことにします。

いわゆるワニ本。 数的推理ではすごく有名な畑中氏の参考書。独特の解法やテクニックが載っているため合わない人も多いが、合う人が使った場合には覚醒するかも?

ただし、10年以上改訂されていない。

ワニ本の著者による新本であるいわゆるカンガルー本。上記参考書の改訂として発売されたもの?
ただし、ワニ本に比べると解説が淡白。

いわゆる高卒ワニ。高卒程度試験で出題される数的推理を対象とした対策本であるものの、解説が高校生向けで非常に丁寧なため、大卒程度試験でも数的推理が苦手な人にはよく用いられる。


数的推理の勉強手順②:スー過去・クイマスで演習


導入本が終わったら、スー過去・クイマスの厳選された過去問で演習を行うのが基本となります。スー過去かクイマスかについては色々議論されていますが、どちらも過去問である以上私はどちらでも構わないと思います。
ただし、数的推理が苦手で“何を勉強しても無理そうだ”という人は無理にスー過去・クイマスに手を出し時間を費やさない事!
教養は26点程度取れれば(14点落とせる) 良いので、導入本が終わって余裕がある人や解いてみてそれなりにできそうだと考えた人のみスー過去に手を出しましょう。 どうしても無理そうなら、配点は高いものの捨てて知識分野をひたすら詰め込み、安定した点を稼ぐというのも一つの手段。

 

数的推理勉強法(上記②の人)


数的推理(既習の人)の勉強手順①:スー過去のみ

 

  1. 理系の方
  2. 2次で数学を使った国立文系の方
  3. 大学受験でそれなりに数学をやってきた方


以上のような既習の方はスー過去から始めてしまって問題ありません。
というのも、導入本は数学的な解き方ではなく算数的な解き方をしているため、数学ができる人からすると逆に混乱してしまう危険性があるからです。よって、いきなりスー過去から始めることを私は推奨します。
導入本は、未知数へのxやyのあて方など、数学ができる人が解いた場合違和感を感じると思います。スー過去は、公務員試験の参考書では最も正攻法で簡潔な解き方をしていますし、問題量も豊富であるため、数学を既習の方には最適です。

 

判断推理の参考書と勉強法


判断推理の概要


判断推理は、先に述べたように表や図を書いて問題を解く科目であり、数的処理科目の中では、最も問題の分類がしやすい科目でもあります。(例:トーナメント問題・暗号問題・嘘つき問題・対応関係など)また、「“数的”処理」科目の中では最も数的要素が少ない科目であり、数を用いたとしても表や図に書き込む程度なので難しい計算なども全くありません。
したがって、数的処理の科目の中では誰でも勉強をすれば点数の稼げる科目だというのが個人的見解。というのも、問題の分類がしやすいというのは問題毎に解法を覚えるというパターン暗記が通用しやすいということであり、それに計算も難しくないのであれば、困る人も少ないと考えられるからです。

また、判断推理の参考書に関して注意点が1つあります。それは、市販で販売されている判断推理の参考書が殆ど“空間把握”の内容も含めて、「判断推理」の参考書として出版されているという事です。よって、判断推理の参考書は空間把握の対策本の役割も兼ねている場合が多いです。

以上を踏まえて具体的な参考書や勉強法をみていきましょう。

 

判断推理の勉強手順①:玉手箱で解法を理解


判断推理の勉強も、数的推理と同じように初めは玉手箱で勉強をし、パターンや解き方を身につけたのちに、余裕がある方のみスー過去にうつりましょう。

スー過去だけでもいいかもしれませんが、スー過去の解説は解法が1つしか書いていないので、解法が複数のっていて、自分にあった解法を見つける事ができる玉手箱からの勉強を推奨します
判断推理は先ほど述べたとおりパターン暗記が通用しやすい科目なので、導入本で自分にあった解法を発見するというのが非常に重要です。

数的推理と同じようにワニ+カンガルー+高卒ワニ3冊も候補にあがります。玉手箱が合わない場合には、これらから代替本を選ぶのが基本となるでしょう。

畑中敦子の判断推理ザ・ベスト プラス

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資料解釈の勉強法と参考書

資料解釈の概要


資料解釈も、判断推理と同じく数学的な要素は殆どなく、割と問題を分類しやすくパターン暗記で解ける問題が多いので、(円グラフ・折れ線グラフ・構成比など)数的処理の中では点数を稼ぎやすい科目と言えるでしょう。
数的推理や判断推理に比べると出題数が少ないとはいえ、3題程度はどの試験でも出題されるので、最低限の対策はしておきたいところ。(特別区だけは4〜5問出題されるので、しっかりやった方がいいと思います。)
では参考書と勉強法をみていきましょう。

 

資料解釈の勉強手順:まるごと生中継(→スー過去)


資料解釈専用の参考書は数が少ないため、あまり紹介できるものがあまりありません。(数的推理と判断推理で有名な玉手箱も、資料解釈版はありません。)

そうした中でもこちらのまる生は、資料解釈と空間把握の要点のみをかいつまんで教えてくれるのでとても便利。


判断推理の項で述べたとおり、ワニ本や玉手箱など判断推理の参考書にも基本的に空間把握の内容は記載されているのですが、出題数を考えると(空間把握は3問程度)、判断推理の導入本に記載されている空間把握の問題を全ページやるのは重いという方もいるでしょう。
そういう方からすると、資料解釈と空間把握はまる生一冊で要点のみチェックできるのは非常にありがたく、勉強計画の選択肢を増やしてくれるのではないでしょうか。

 

その他の資料解釈本

まる生では足りなさそう、まる生は合わないといった方は以下の3つの参考書を代わりとしてオススメします。

資料解釈のワニ本も他のワニ本のように独特の解法やテクニックが記載されているものの、やはり発売から10年以上経過している古い本というのがネック。

ワニ本の改訂版にあたる?カンガルー本。しかしやはり他のカンガルー本シリーズと同じく、ワニ本シリーズに比べると解説が淡白。

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スー過去と同じ実務教育出版から出ている本。スー過去に繋ぐ事が想定されているため、スー過去をメインに勉強する人にはいいかもしれません。こちらも、コツやテクニックをアウトプットも兼ねながらかいつまんで教えてくれます。

スー過去は、4問出題される特別区と都庁を受ける方以外は無理に手を出す必要はありませんが、文章理解とセットになっていてついでに英語や現代文の傾向を把握できるので、アウトプットをメインに勉強する人には少しお得感があります。


空間把握の勉強法と参考書


空間把握は、それなりの量が出題されますが(3〜5問程度)無理に取ろうとしなくても良い科目です。
http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/pdf/sokuhou/KL15493.pdf
なぜなら、こちらを見て貰えば分かる通り難しくて殆どの人ができないからです。
どうしても点を稼ぎたいのであれば、判断推理の項で述べた通り市販の判断推理の参考書は(玉手箱・スー過去・ワニ本全て)空間把握分野の内容も含めて「判断推理」本として出版されているので、そちらをやればよいでしょう。要点のみを掴みたいのであれば、資料解釈の項で述べたまる生か、スピードチェックシリーズがオススメ。

特にスピードチェックシリーズは、数的推理分野の図形とセットになっていて、平面図形から立体図形まで図形全般の要点のみを取り上げているので、図形問題が苦手な人には重宝するでしょう。

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