教養論文・専門記述の答案の書き方
以前の記事で↓
論文や専門記述の勉強法と参考書をまとめましましたが、実際にどのように書くのかイメージが掴めない人も多いと思ったので、今年度の国家専門職試験の専門記述の問題を例に、具体的な書き方と勉強法を検討することにします。
ちなみにこの解答は私が考えたものであるため
転載・引用は避けてください。
平成28年度専門職試験:専門記述(経済学)
問
原点に対し凸型の無差別曲線が交わらない理由を図を用いて述べよ
答え
無差別曲線とは、等しい満足度を達成する消費計画の組み合わせである。消費者理論において原点に対して凸型の無差別曲線を考える場合、一般的に2財(x1.x2)と単調性・推移性の仮定を置く。以下、本稿でもこの仮定を置いて無差別曲線が交わらないことを背理法により示す。
今、無差別曲線が交わるという仮定を加えた場合、上記推移性の仮定により点Aと点Bは無差別であり、同じく点Bと点Cも無差別となる。しかし、同時に点Bの消費計画は点Cの消費計画より右上に位置する事から単調性の仮定に反する事になる。
こうした矛盾が生じたのは、無差別曲線が交わるという仮定を加えた事による。背理法により題意は示された。無差別曲線が交わることはない。
問題を例に論文・専門記述の勉強法と書き方を解説
今回の問題の例で言えば、
①基本的な文章の書き方・パラグラフの分け方・言葉の用い方・記述の順序・句点の使い方などの方法論を学ぶのが作文技術。
②無差別曲線・推移性・消費計画などの専門用語が、教養論文・専門記述の答案を構成するために必要な知識。
③背理法・第一パラグラフでの定義づけ・問への論理的な答え方といった、論理的な証明方法が論証法。
にあたります。
これらを勉強することで論文・専門記述の答案が綺麗に書けるようになるというわけですね。
教養論文の勉強手順再掲
①理科系の作文技術 or レポートの組み立て方(作文技術)→②論文の教室・論文メソッド・現職採点官(論証法)→論理トレーニング101題(論証実践)→③頻出テーマのまとめ方(論文知識)
専門記述の勉強手順再掲
①教養論文の勉強→②各科目の勉強(知識)